星雲星団観望に再挑戦

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 35年?ぶりに星雲星団観望に挑戦しています。
数年前から土日を中心に会津の実家で過ごすようになりました。晴れた日の夜空がきれいです。 新潟市の夜空とは暗さが違います。吸い込まれるような漆黒の中に天の川や星座がが浮かび上がっています。 別のキッカケから相対論や宇宙論の本を柔らかなものから硬いものまで何冊か目を通すうち, そこに登場する恒星や星雲・星団・銀河等の天体が夜空のどのあたりに有るのか改めて確認したくなりました。 昔,天体望遠鏡で夜空を覗いたこともあったことを思い出しました。 実家の土蔵から20cm反射+赤道儀を持ち出してみました。 反射鏡を清掃し,なんとか行けそうと思ったのですが,うまくいきません。 まず星座の配置を忘れてます。 有名なメシエ天体がどのへんにあったかも忘れてしまいました。 ファインダーに目標天体を思うように捉えられません。 特に天頂付近は困難です。 上目遣いで見ると眼鏡のレンズから外れて裸眼になってしまいます。 それに今は遠近両用メガネです。 赤道儀の設置も厄介です。 一抱えもある鏡筒や重いバランスウェイトと赤道儀, 極軸のセッティングをして覗くまでに家を出たり入ったり,なかなか老齢の身には難儀です。 双眼鏡で手軽に夜空を散策しているうちにドブソニアン架台のことを思い出しました。 ヤフオクを覗いたら,昔の鏡筒が結構安価で出ています。手軽な15cm反射鏡を入手しました。 ファインダーとアイピースも当時のものが付属していました。 これを次のように組みました。

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 架台に鏡筒を乗せるだけでセッティング終了です。
双眼鏡に次ぐ手軽さです。アイピース,発光ダイオード光源, 小さな赤色懐中電灯,虫除けスプレー等,最低限の必要品は架台を兼ねた収納ケースに入ってしまいます。 テフロンシートと障子戸の滑りテープで動きもなめらかになりました。 最大摩擦力と動摩擦力の差も極力少なくなりました。

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主鏡 D=150mm,f=750mm,F=5.0
使用アイピース
AH 40mm  19倍 (二番目のファインダー代わりに使用)
 K 25mm  30倍 実視界 1.3° 視野中時間 5分
 K 20mm  38倍 実視界 1.0° 視野中時間 4分
 K  9mm  83倍 実視界 0.5° 視野中時間 2分
OR  6mm 125倍 実視界 0.3° 視野中時間 1分

参考書
(1)星雲星団を探す,浅田英夫,立風書房,1999年
(2)星雲・星団案内,大野裕明,誠文堂新光社,1979年
(3)ほしぞらの探訪,山田卓,地人書館,1974年(2版1994年)
(4)フィールド版 スカイアトラス,Erich Karkoschka,白尾元理 訳,丸善,1991年
(5)新標準製図,中野繁,地人書館,1969年

いずれも古い蔵書です。 主に見ているのは,(1)と(4)です。
(1)では,メシエ天体を中心に見つけやすい星雲星団45個が, たどり方や小望遠鏡での実際の見え方とともに紹介されています。 たどり方は,ファインダー7度の視野を頼りに星座中の恒星を目印に目標の星雲星団に行く方法です。 ドブソニアンで赤経・赤緯に頼れませんからこの方法で行くしかありません。 私の苦手とする(とした)方法です。微動も無し,厳しいです。 肉眼でもわかりそうなものを除いてはさっぱりだめです。

これは誰か経験者に教えを請わねばと, 恐れ多くも,1974年結成の歴史を誇る新潟天文研究会に最近入会しました。 月例会に数回出席させてもらい,ある程度の想像はあったのですが, 最近の機材の素晴らしさに圧倒されました。 コンピュータ搭載で自動的に天体を導入・追尾, GPSと連動させれば経緯台でも極軸合わせなど必要なく導入追尾できてしまう夢のような時代なんですね。 画像処理を駆使した素晴らしい写真は感動ものでした。 一昔前ならプロの大望遠鏡で撮ったような画像に思えました。 アマチュア機材でもここまでできるのかと改めて実感しました。 タイムマシンで未来へ来たような気持ちです。

私の場合は,今ある手動の機材で,その時々の観望を楽しみたいと思います。 私のWebPage「よみがえれ! ジャンクラジオ」中の 「ラジオの思い出とこのぺージについて」の中に,

「・・・耳を澄まして空中に漂う電波の淡いエネルギーを拾うという感じが好きなのです。・・・」

の一文がありますが,星雲星団観望についても似た気分です。
ゆらゆら揺れる豆粒か米粒・ゴマ粒程度の像の中に淡い濃度の違いや模様をリアルに実感したいのです。 山の頂上での眺望を楽しむのに,ケーブルカーで登る方法もありますが, ゆっくり頂上に至るまでの登山道も楽しむという気分も味わいたいです。 ガリレイの望遠鏡を現代人が覗いても彼が見たような像は見えないという話があります。 でも彼には見えたんですね。
現代の口径20cmや15cm望遠鏡なら,メシエが用いた望遠鏡と同等か大きいのでは。
当面,参考書(1)程度は探せるよう挑戦する予定です。
新天研の皆さん,ご指導よろしくお願いします。


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