AMラジオの遠距離受信を目指して

 
 ループアンテナは一辺46cmの正方形の木枠にエナメル線を12回巻いたものです。これとAM用単連ポリバリコンの組み合わせで同調回路を形成します。この巻数で中波放送の周波数をほぼカバーするようです。これにFET2石で組んだ高周波プリアンプを通してAMラジオのフェライトアンテナに数回巻いたコイルに接続します。

    

 アンテナを兼ねた12回巻のコイルとポリバリコンによる同調回路からの信号を1回巻のピックアップコイルで取り出し,プリアンプを通してラジオに送ります。緑色の細い線が1回巻きのピックアップコイルです

    

 プリアンプは約4cm×4cmの汎用基板に組み込みました。双極双投トグルスイッチを用いて,プリアンプの電源を入れないときはピックアップコイルの出力を直接ラジオに送るようにしています。

    

 プリアンプの回路はミズホの中波用ループアンテナUZ−8DXに付属のプリアンプ回路をそのまま利用させてもらいました。
回路図はインターネットで検索すれば入手できます。増幅回路は初段が2SK241によるソース共通回路,2段目が2SK192Aによるソース・フォロワです。部品代は1000円位です。単3電池2本の3Vで駆動します。プラグとジャックを直接基板にハンダ付けしています。

    

 ラジオはSONYのICF−6700です。本来のアンテナ端子の隣に新たにアンテナ接続用のジャックを増設しました。ここにアンプ基板のプラグを接続します。

    

 受信は,まずプリアンプの電源を入れないで使用します。チューニングメーターが最も振れるようにバリコンとアンテナの向きを調節します。ループアンテナだけでもかなり有効です。そのうえで受信状況によってプリアンプの電源を入れます。
写真は周波数1314kHzのラジオ大阪OBCを受信中の様子です(当地は新潟市です)。プリアンプがうまく生かされている例の1つです。左がプリアンプを通さないとき,右が通したときです。かなり快適な受信状態になります。
強力な局の近くでかき消されがちな微弱な局を受信する場合もループアンテナの指向性とプリアンプの組合せは有効です。ループアンテナの向きで強力な局をはずしておいて,微弱な局をプリアンプで拾うという手法が使えます。

    

 当地は新潟市です。時間帯ににもよりますが,この組合せで次のような局を受信できています。

北日本放送(KNB,富山,738kHz)
福井放送(FBC,福井,864KHz)
山形放送(YBC,山形,918kHz)
秋田放送(ABS,秋田,936kHz)
TBSラジオ(東京,954kHz)
ABCラジオ(大阪,1008kHz)
CBCラジオ(名古屋,1053kHz)
新潟放送(BSN,新潟,1116kHz)
文化放送(東京,1134kHz)
MBSラジオ(大阪,1179kHz)
茨城放送(IBS,水戸,1197kHz)
青森放送(RAB,青森,1233kHz)
ニッポン放送(東京,1242kHz)
東北放送(TBC,仙台,1260kHz)
RKBラジオ(福岡,1278kHz)
HBCラジオ(札幌,1287kHz),
ラジオ大阪(OBC,大阪,1314kHz)
東海ラジオ(名古屋,1332kHz)
中国放送(RCC,広島,1350kHz)
ラジオ福島(RFC,会津若松,1395kHz)
静岡放送(SBS,静岡,1404kHz)
KBCラジオ(福岡,1413kHz)
ラジオ日本(横浜,1422kHz)
STVラジオ(札幌,1440kHz)
山陽放送(RSK,岡山,1494kHz)
(NHKを除く)

 主に,秋田放送以下の低い周波数の局は昼,TBSラジオ以上の高い周波数の局は夜の受信です。明け方や夕方に受信しやすい局もあります。

   


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